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刷毛 各種の一覧




刷毛専門店


【刷毛の基本】

刷毛(はけ)とは、木やプラスチックの柄の先に、毛が取り付けられた道具で、塗料を塗る時に使われます。書道や絵画、お化粧で使われる道具は、筆と呼ばれます。刷毛に使われる毛には種類があり、天然繊維でもある動物繊維と、植物繊維、化学繊維があります。


【刷毛の歴史】
江戸末期に、黒船でペリーが来航し、様々な品と共にペンキがもたらされてから、一般に塗装用刷毛という存在が広まりました。最初のペンキ刷毛は、外国製のコッピー刷毛の模倣から、さらに外国人が2インチのカスト刷毛の注文を受けた刷毛職人が、工夫をこらして、一寸筒形の刷毛を作ったのが始まりと言われています。それが日本で、刷毛製造技術が著しく発展をとげるきっかけとなりました。時代が進むと共に塗料の発展と、建築や橋梁の鉄部の塗装・保護・防腐・防錆のためにも、そして美粧へと広範囲に用途が広がり、それにともなう各種の刷毛の開発も発達し、塗装の分野を大きく広げ今日に至っています。

【刷毛の形状】
刷毛の形状には、筋違い形と平形があり、特に16号の刷毛は寸筒形と呼びます。
ヨーロッパ、アメリカなどペンキを生んだ国々にはない、日本で生まれた独特の形状をしています。手先が器用で手工具を工夫するのに巧みな先人の成果です。明治時代の塗装業者は、筋違5号、10号、寸筒刷毛を「一組」と呼び、この三点でたいていの仕事をこなしていました。現在では、塗料、用途に応じて各種の刷毛が作られ、ユーザーのどのような要求にも、応えられるようになりました。


【刷毛の用途・役割】
塗装の際に塗料などを塗るときに使う道具です。
水性塗料用、油性塗料用など使用するそれぞれの塗料に適した毛質の刷毛があります。
また、筋交い刷毛や平刷毛、ローラーなど形状やサイズも様々なものがあります。塗装する対象物の
大きさや箇所によって適した形状やサイズを選びましょう。

【刷毛の素材】
刷毛に利用される素材は、動物の毛に限っても多種多様です。
代表的な素材としては、馬・羊・豚・猪・鹿の毛です。これらの原毛を組み合わせ、混毛比を工夫しながら用途に応じて良質で使いやすい刷毛を作ります。優れた原毛の条件は、毛先が繊細でかつ弾力性に富み、色つやが良く、それぞれの動物の特質を備えていることですが、産地、年齢、環境、季節などにより、微妙な変化があり、最良の条件で原毛を求めるのは、容易ではありません。また、世界的に原毛が減少傾向にあります。

■馬毛
振毛(タテガミ)=耐水性に富み、尾毛より柔らかい。尾毛の次に使用される。

馬蹄毛(蹄の周囲)=細筋でしなやか、弾力性が良い。高級原料。

天尾(尾毛)=耐水性に富む弾力性に優れ、毛が長いのでペンキ刷毛最適な高級原毛。

■豚
豚毛=馬毛よりも硬く、弾力性が強く毛先が割れているので、高粘度塗料に最適。
コッピー・ダスター刷毛に多く利用されている。

■山羊毛
ヤンオ(尾毛)=腰があり耐久性に富む。主に高級刷毛に使用。

ヤンス(アゴヒゲ) =ソフトで艶・弾力性があり、主に合成樹脂用などに使用。

白細(背中) =ヤギの背中部の毛で、ニス用刷毛の主原料。毛先が細くしなやか。

上爪峰 つま先部分の毛。腰があり耐久性に優れる。

■化繊
PBT =獣毛に比べ耐摩耗性があり、繊維の吸水率が低いため水系塗料向けとして、
多く使用されている。ポリエステル、アクリル系、ポリプロレンが主。

原毛の特長

【関東の刷毛・関西の刷毛】
関東と関西で、刷毛の寸法と形状が違うのも興味深い現象です。建築に江戸間と京間があるように、刷毛も同じ2寸刷毛でも、関東形は9掛け、関西形は8掛けの仕上げです。これは、刷毛の重量、習慣の違いなどが微妙に現れたものと思われます。関東刷毛の角張った肩、関西刷毛の丸味をもったなで肩などは、気風の違いを感じさせますが、最近では商圏の拡大とともに、この傾向も薄れつつあります。

関東の刷毛・関西の刷毛

■刷毛のサイズ
刷毛のサイズは、一般的に号数で表示されますが、関東地区と関西地区では同じ号数でも、寸法が
異なるものがあります。
刷毛のサイズは、柄の横幅の寸法が基準となっています。

号数 尺寸表示 関東形 関西形
3号

3分

10mm 9mm
5号 5分 15mm 13mm
8号 8分 25mm 22mm
10号 1寸 30mm 27mm
12号 1寸2分 36mm 32mm
15号 1寸5分 42mm 37mm
16号 1寸6分 48mm 43mm
20号 2寸 55mm 48mm
25号 2寸5分 70mm 60mm
30号 3寸 84mm 75mm
35号 3寸5分 100mm 89mm
40号 4寸 115mm 102mm
50号 5寸 145mm 129mm


【刷毛の選び方】
塗料の種類から選ぶ:水性塗料、油性塗料、ニスといったそれぞれの塗料に使われている成分や粘性などに適した毛質の刷毛がそれぞれあります。使う塗料に合わせて刷毛を使い分けましょう。
さらに、一度油性塗料に使った刷毛を水性塗料に使うなど、他の種類の塗料と刷毛を混ぜて使用するのは
避けるのがベストです。また、どのような塗料でも対応できる万能用の刷毛もあります。

 

【形状から選ぶ】
筋違刷毛や平刷毛などの一般的によく見かける筆のように塗料を塗る刷毛の他にも、コテバケやローラーなども形も用途によって様々な種類から選ぶことが出来ます。まずは、塗る範囲から想定してみましょう。比較的狭い範囲であれば筋違刷毛、細かい箇所には毛の量が少ない小型の金巻刷毛、比較的広い範囲であれば平刷毛、さらに広い範囲を塗るのであれば、ローラーで塗るのが効率的で美しく仕上がります。

【刷毛のおろしかた】
新品の刷毛には、余分な毛やゴミが混ざっています。そのまま塗料につけて塗ってしまうと、それらが混ざってしまって、仕上がりにも影響が出るので、しっかり事前に処理をしましょう。新品の刷毛のおろし方は、まず刷毛を両手で挟み、クルクルと回します。これで抜け毛が飛び出します。次に手でしごきます。あまり強い力で引っ張ると、余計に抜けてしまうので注意しましょう。最後に、100番くらいの粗さのサンドペーパーでならして毛先を整えてください。どんな刷毛でも、新しいものは必ずこの事前準備をしましょう。



【刷毛と塗料の相性】 【ローラー 刷毛 どっち?】
【刷毛塗りのメリットは?】 【刷毛の洗いかたは?】
 

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